台湾旅行を計画しているけれど、天気で失敗や後悔をしたくない、と考えていませんか。
特に「台湾の雨季はいつだろう?」という疑問は、旅行の満足度を左右する大切なポイントになります。
台風シーズンや、航空券・ホテルが高騰する避けるべき日はいつなのか、気候が安定している乾季や観光に最適なベストシーズンはいつなのか、知りたい情報が多いことでしょう。
また、梅雨明けのタイミングや、現地の気候に合わせた服装の準備など、具体的な情報があれば、もっと安心して計画を立てられます。
結局のところ、自分の旅のスタイルに合わせて、台湾へはいつ行くべきかを見極めることが大切です。
記事のポイント
- 台湾の雨季が具体的にいつからいつまでかを理解できる
- 地域ごとの気候の違いや乾季の時期がわかる
- 旅行費用が高くなる時期や避けるべきタイミングが明確になる
- 雨季の旅行に最適な服装や持ち物の準備ができる
台湾の雨季はいつ?季節と地域ごとの特徴

台湾の雨季について正確に理解するためには、まず「梅雨」と「台風」という2つの大きな要素があることを知るのが大切です。
ここでは、台湾の雨季を構成する季節ごとの特徴や、訪れる地域による気候の違いを詳しく解説します。
- 5月から6月は梅雨シーズン
- 7月から9月は台風シーズン
- 台湾の梅雨明けはいつ頃になる?
- 台北と高雄の気候の違い
- 台湾の乾季はいつからいつまで?
5月から6月は梅雨シーズン

台湾の雨季の第一幕は、5月から6月にかけて訪れる梅雨の季節です。
現地では「梅雨(メイユー)」と呼ばれ、日本の梅雨と同じように、しとしとと降り続く雨が特徴的です。
この時期の雨は、日本の梅雨前線と同様のメカニズムで発生します。
しかし、単に長時間降り続くだけでなく、短時間で非常に激しく降る「スコール」に見舞われることも少なくありません。
そのため、晴れていると思って油断していると、あっという間にずぶ濡れになってしまう可能性があります。
また、梅雨シーズンの台湾は気温だけでなく湿度も急激に上昇します。
少し歩くだけで汗が噴き出るような蒸し暑さを感じることが多くなるため、旅行中の体力管理が一つの鍵となります。
この時期に旅行を計画する場合は、防水対策はもちろんのこと、高温多湿の環境に対応できる準備が求められます。
7月から9月は台風シーズン

梅雨が明けると、次に台湾が迎えるのは7月から9月にかけての台風シーズンです。
この時期は、台湾に年間で最も多くの雨をもたらす季節であり、旅行計画において最も注意が必要な期間と考えられます。
気象庁のデータによると、台湾には毎年平均して3個から5個の台風が接近または上陸します。
特に8月は台風の発生数がピークに達する傾向にあります。
台風が直撃した場合、飛行機や台湾高速鉄道(新幹線)などの主要な交通機関が計画運休となる可能性が非常に高くなります。
さらに、行政機関によって「停班停課」と呼ばれる臨時休業・休校措置が発令されると、デパートや観光施設、飲食店に至るまで、ほとんどの商業施設が営業を中止します。
これにより、観光の予定が大幅に変更となったり、場合によってはホテルからの外出が困難になったりするリスクも考慮しなければなりません。
このように、台風シーズンは旅行計画全体に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、渡航を検討する際は慎重な判断が必要です。
台湾の梅雨明けはいつ頃になる?

台湾の梅雨明けは、一般的に6月下旬から7月上旬頃とされています。
ただし、これはあくまで平年の目安であり、その年の気象条件によって時期が前後することは珍しくありません。
梅雨が明けると、台湾は本格的な夏の気候へと移行します。
雨の心配は少なくなりますが、代わりに気温は連日30度を超え、日差しも一層強くなります。
湿度も高い状態が続くため、体感温度は実際の気温以上に高く感じられるでしょう。
この時期に旅行をする場合は、熱中症や日焼けに対する万全の対策が不可欠です。
こまめな水分補給はもちろん、帽子やサングラス、日焼け止めなどを活用して、厳しい暑さから身を守る工夫が求められます。
梅雨明け直後は、天候が安定する一方で、気候の厳しさが増すという点を覚えておくと良いでしょう。
台北と高雄の気候の違い

台湾は九州ほどの面積ですが、北部に位置する台北と南部に位置する高雄とでは、気候に明確な違いが見られます。
旅行の目的地に合わせて気候の特徴を把握しておくことが、快適な旅の準備につながります。
台北(北部)の気候

台北を中心とする台湾北部は、年間を通して湿度が高く、雨が多いのが特徴です。
夏は梅雨と台風の影響で降水量が多くなりますが、実は冬の時期(11月頃から3月頃)も東北からの季節風の影響で霧雨や小雨が降りやすく、すっきりと晴れる日が少ない傾向にあります。
そのため、台北にははっきりとした「乾季」がないと言われることもあります。
高雄(南部)の気候

一方、高雄や台南といった南部は、雨季と乾季がはっきりと分かれています。
夏の雨季には降水量が集中し、特に台風シーズンには激しい雨に見舞われます。
しかし、冬の乾季は季節風の影響を受けにくいため、晴天の日が続き、降水量も非常に少なくなります。
気温も20度前後と温暖で、過ごしやすい気候となるため、冬の旅行先として非常に人気があります。
以下の表は、台北と高雄の月別平均降水量を比較したものです。
訪問先の気候を理解するための参考にしてください。
| 月 | 台北の平均降水量 (mm) | 高雄の平均降水量 (mm) |
| 1月 | 83 | 25 |
| 2月 | 170 | 40 |
| 3月 | 180 | 50 |
| 4月 | 177 | 80 |
| 5月 | 234 | 180 |
| 6月 | 325 | 320 |
| 7月 | 245 | 420 |
| 8月 | 322 | 440 |
| 9月 | 360 | 220 |
| 10月 | 148 | 50 |
| 11月 | 83 | 30 |
| 12月 | 73 | 20 |
| (参考: 交通部中央氣象署の平年値データ) |
台湾の乾季はいつからいつまで?

台湾における乾季は、一般的に雨が少なくなる10月頃から翌年の4月頃までを指します。
この期間は、雨季に比べて天候が安定し、旅行しやすいシーズンと言えます。
特に気候の恩恵を受けやすいのが、前述の通り、高雄や台南などの南部地域です。
冬でも日中の気温が20度を超える日が多く、温暖で過ごしやすい晴天が続きます。
そのため、日本の寒い冬を避けて暖かい場所で過ごしたい旅行者にとっては、最高の時期となります。
対照的に、台北などの北部では、乾季といっても冬は曇りがちで小雨が降る日も少なくありません。
しかし、それでも梅雨や台風シーズンに比べれば降水量は格段に少なく、気温も穏やかなため、観光には適した時期です。
秋から春にかけては、気候の安定する乾季を狙って旅行計画を立てるのが賢明な選択と考えられます。
旅行で台湾の雨季は避けるべき?

台湾旅行を最大限に楽しむためには、気候だけでなく、現地の祝日やイベント、それに伴う費用の変動も考慮に入れる必要があります。
ここでは、混雑や費用の高騰といった観点から、旅行計画で避けた方が良い時期や、逆におすすめのタイミングを目的別に解説します。
- 航空券やホテルが高騰する時期
- 旅行計画で避けるべき日はいつか
- グルメ旅ならいつ行くべきか
- 観光のベストシーズンは秋
- 比較的安い時期はいつ?
航空券やホテルが高騰する時期
-300x173.jpg)
旅行費用を計画する上で、航空券と宿泊費は大きな割合を占めます。
台湾旅行においても、特定の時期にはこれらの価格が通常よりも大幅に高騰するため、注意が必要です。
最も価格が上がるのは、台湾の旧正月(春節)期間です。
これは通常1月下旬から2月上旬にかけての約1週間で、台湾で最も重要な祝祭期間となります。
この時期は、国内外からの観光客と帰省する人々で交通機関や宿泊施設が大変混雑し、ホテル料金は平常時の2倍から3倍に跳ね上がることもあります。
その他、日本のゴールデンウィークや年末年始、台湾の国慶節(10月10日)や中秋節といった連休期間も、旅行需要が集中するため価格が上昇する傾向にあります。
これらの繁忙期に旅行を計画する場合は、かなり早い段階での予約が必須となり、予算も多めに見積もっておくことが大切です。
旅行計画で避けるべき日はいつか

快適な台湾旅行を実現するためには、価格の高騰だけでなく、混雑や施設の休業といった点からも避けるべき日があります。
前述の通り、旧正月期間は避けるべき最たる時期です。
多くの商店やレストラン、観光施設が休業するため、せっかく訪れても目的の場所が閉まっていた、という事態になりかねません。
また、市内の交通量も減る一方で、主要な観光地や公共交通機関は人でごった返します。
台風が最も接近しやすい7月から9月も、計画の立て直しを余儀なくされるリスクが高いため、慎重な検討が求められます。
フライトの欠航や遅延、観光施設の閉鎖など、予期せぬトラブルに見舞われる可能性を考慮すると、特に初めて台湾を訪れる方にはあまりおすすめできません。
これらの時期を避けることで、よりスムーズでストレスの少ない旅行が実現できるでしょう。
グルメ旅ならいつ行くべきか

もしあなたの旅行の主な目的が台湾グルメを堪能することであれば、旅行時期の選び方は少し変わってきます。
なぜなら、台湾には季節ごとに旬を迎える美味しい食材がたくさんあるからです。
夏の6月から8月は、気候的には厳しいですが、グルメ好きにとっては見逃せない季節です。
この時期は、台湾産アップルマンゴーの最盛期にあたり、新鮮で濃厚な甘さのマンゴーかき氷やスイーツを思う存分楽しむことができます。
これは、雨季だからこそ味わえる最高の贅沢と言えるでしょう。
一方で、秋から冬にかけては、火鍋が美味しくなる季節です。
少し肌寒くなる気候の中で、友人や家族と鍋を囲むのは台湾の冬の風物詩です。
また、秋には柿や梨、冬には柑橘類など、季節の果物も豊富に市場に並びます。
このように、特定の食べ物を目当てに、あえてその旬の時期を選んで訪れるのも、台湾旅行の大きな楽しみ方の一つです。
観光のベストシーズンは秋

気候の快適さ、天候の安定性、そして観光のしやすさを総合的に判断すると、台湾旅行のベストシーズンは秋、特に10月から11月です。
この時期をおすすめする最大の理由は、気候が非常に穏やかであることです。
夏の厳しい暑さが和らぎ、台風シーズンのピークも過ぎるため、晴天の日が多くなります。
空気も乾燥していて過ごしやすく、日中は少し汗ばむ程度の陽気で、朝晩は涼しい風が心地よく感じられます。
例えば、ノスタルジックな街並みが人気の九份や、自然豊かな阿里山では、この時期に美しい紅葉を楽しむこともできます。
快適な気候の中でハイキングや街歩きを満喫できるのは、秋ならではの魅力です。
また、中秋節が終わると観光客の混雑も少し落ち着くため、人気スポットを比較的ゆったりと見て回ることが可能になります。
比較的安い時期はいつ?

旅行費用を少しでも抑えたいと考えるなら、繁忙期を外したオフシーズンを狙うのが賢明です。
台湾旅行において、比較的費用が安くなる時期がいくつか存在します。
一つ目は、ゴールデンウィークが終わった後の5月中旬から6月にかけての梅雨シーズンです。
この時期は雨が多く、気候的にも過ごしやすいため旅行者が減少し、航空券やホテルの価格が下がる傾向にあります。
雨のリスクはありますが、屋内でのショッピングや美術館巡りを中心に計画すれば、お得に旅行を楽しむことが可能です。
二つ目は、夏休みと台風シーズンのピークが過ぎた9月下旬から10月上旬です。
気候が回復してくる一方で、まだ本格的な観光シーズンに入る前であるため、価格が手頃な場合が多いです。
これらの時期は、気候のデメリットを理解した上で、費用を重視する旅行者にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
台湾の雨季、行くならいつ?服装と対策

雨季の台湾旅行を成功させるためには、事前の準備が何よりも大切です。
雨や湿気、そして室内の強い冷房にどう対応するかが、旅の快適さを大きく左右します。
ここでは、雨季の台湾を賢く楽しむための服装や持ち物、そして雨の日でも満喫できる過ごし方について具体的に解説します。
- 雨季の旅行に適した服装とは
- あると便利な持ち物リスト
- 雨でも楽しめる室内観光スポット
- 屋根のある夜市でグルメを満喫
雨季の旅行に適した服装とは

台湾の雨季における服装選びのポイントは、「速乾性」「防水性」「体温調節のしやすさ」の3つです。
このポイントを押さえることで、高温多湿な屋外と冷房の効いた屋内の寒暖差にうまく対応できます。
基本の服装
基本となるトップスやインナーには、ポリエステルなどの化学繊維でできた吸湿速乾性の高い素材を選ぶのがおすすめです。
綿素材のTシャツは汗や雨で濡れると乾きにくく、冷房の効いた室内で体を冷やす原因になりかねません。
通気性の良いリネン素材のシャツやワンピースも快適です。
羽織もの
屋外の蒸し暑さとは対照的に、デパートやMRT(地下鉄)、レストランなどの屋内は非常に強く冷房が効いています。
体が冷えすぎないように、薄手のカーディガンやUVカット機能のあるパーカー、大判のストールなど、手軽に羽織れるものを常に携帯することが賢明です。
靴の選び方
足元は、雨に濡れることを前提とした靴選びが重要です。
防水加工が施されたスニーカーや、濡れてもすぐに乾くスポーツサンダルなどが適しています。
特に、寺院の石畳やお店のタイル床は雨で濡れると非常に滑りやすくなるため、靴底のグリップがしっかりしているものを選びましょう。
あると便利な持ち物リスト

服装に加えて、いくつか便利なアイテムを準備しておくことで、雨季の台湾旅行はさらに快適になります。
まず、軽量でコンパクトな折りたたみ傘は必須アイテムです。
突然のスコールに備えて、常にバッグに入れておきましょう。
風で壊れにくい、丈夫な作りのものを選ぶと安心です。
次に、両手が自由になるレインコートやポンチョも役立ちます。
特に、混雑する夜市での食べ歩きや、カメラでの写真撮影を楽しみたい場合には、傘よりも便利です。
リュックサックごと覆えるタイプであれば、大切な荷物を雨から守ることもできます。
また、スマートフォンを水濡れから守るための防水スマホケースも準備しておくと良いでしょう。
ケースに入れたまま操作や撮影ができるネックストラップ付きのものが便利です。
その他、濡れたものを入れるためのビニール袋や、汗を拭くための速乾性タオルも重宝します。
雨でも楽しめる室内観光スポット

雨が降っていても、台湾には魅力的な室内観光スポットが数多く存在します。
天候に左右されないプランをあらかじめ考えておけば、雨の日でも充実した一日を過ごすことが可能です。
代表的なスポットが、台北にある国立故宮博物院です。
世界的に有名な「翠玉白菜」や「肉形石」をはじめとする、約70万点もの中国芸術の至宝を収蔵しており、じっくり鑑賞すれば一日では足りないほどです。
ショッピングやグルメを楽しみたいなら、MRTの駅に直結したデパートや地下街が便利です。
台北駅や中山駅、市政府駅周辺には、巨大なショッピングモールが連絡通路で結ばれており、雨に濡れることなく移動できます。
小籠包の名店「鼎泰豊(ディンタイフォン)」など、人気レストランも入居しているため、食事にも困りません。
屋根のある夜市でグルメを満喫

台湾旅行のハイライトの一つである夜市も、雨の日でも楽しむことができます。
多くの夜市には屋根(アーケード)が設置されているエリアがあり、天候を気にせずに台湾のB級グルメを味わえます。
台北で最大級の規模を誇る「士林夜市」には、「美食區」と呼ばれる地下のフードコートがあり、座ってゆっくりと食事を楽しむことが可能です。

また、「饒河街観光夜市」も通路の大部分がアーケードで覆われているため、雨の日でも比較的快適に食べ歩きができます。
雨の日は観光客が少し減るため、普段は長蛇の列ができる人気店にも並ばずに入れるかもしれません。
ただし、足元は滑りやすくなっているため、歩きやすい靴を選ぶなどの注意は必要です。
雨音を聞きながら楽しむ夜市も、また違った趣があり、良い思い出になるでしょう。
まとめ:台湾の雨季はいつ行くのが賢い?

この記事を通じて、台湾の雨季の特徴から旅行計画のポイントまでを解説してきました。
最後に、これらの情報を踏まえ、台湾の雨季と賢く付き合うための要点をまとめます。
- 台湾の雨季は大きく分けて二つの期間がある
- 5月から6月は日本の梅雨に似た「梅雨」シーズン
- 7月から9月は「台風」が最も接近しやすいシーズン
- 雨季は高温多湿でスコールが頻発する
- 台風直撃時は交通機関の麻痺や店舗の休業リスクがある
- 台北など北部は冬も雨が多くはっきりした乾季がない
- 高雄など南部は冬が乾季で旅行に適している
- 旅行を避けるべき時期は旧正月と台風シーズン
- 旧正月は多くの店が休み費用も高騰する
- 費用を抑えたいならGW明けの5月下旬から6月が狙い目
- マンゴーなど夏の味覚が目的なら雨季もおすすめ
- 観光のベストシーズンは気候が安定する10月から11月の秋
- 服装は速乾性と体温調節のしやすさが鍵
- 軽量の折りたたみ傘やレインコートは必須の持ち物
- 雨の日は博物館やデパートなど室内施設を活用するのが賢い
今回は、台湾の雨季の時期や特徴、そして旅行を計画する上での注意点について詳しく解説しました。
雨季と聞くと、どうしても旅行をためらってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、台湾の雨季は、ただ雨が多いだけの季節ではないのです。
例えば、雨に濡れて一層幻想的な雰囲気を醸し出す九份の街並みや、瑞々しい緑が美しい山々の風景、そしてこの時期にしか味わえないマンゴーをはじめとした絶品のフルーツは、雨季ならではの特別な魅力と言えます。
最も大切なのは、雨季の特性を正しく理解し、服装や持ち物、観光プランをしっかりと準備することです。
今回ご紹介した情報を参考にしていただくことで、天候に左右されることなく、台湾の奥深い魅力を存分に満喫できるはずです。
この記事が、あなたの台湾旅行計画の一助となり、忘れられない素晴らしい思い出作りに繋がることを心から願っています。