台湾への旅行を計画する際、多くの人がグルメや観光スポットに心を躍らせることでしょう。
しかし、意外な落とし穴がホテルの滞在準備に潜んでいます。
特に、日本のホテルでは当たり前に用意されているパジャマが、台湾ホテルにはない場合がほとんどです。
この記事では、台湾のホテルでパジャマの提供がない理由から、2025年に始まったアメニティ廃止の新ルール、そしてドライヤーやシャンプー、バスタオルのような他の備品事情まで、詳しく解説します。
旅行先で「持っていけばよかった」と後悔することのないよう、この記事で万全の準備を整えましょう。
記事のポイント
- 台湾のホテルにパジャマが基本的にない理由
- ホテルランクごとのパジャマやアメニティの提供状況
- パジャマを忘れてしまった場合の現地での具体的な対策
- 2025年から始まったアメニティ新ルールと旅行者が準備すべきこと
台湾ホテルでパジャマがないは本当?基本事情
- パジャマが提供されない文化的な理由とは
- ホテルランク別のパジャマ・バスローブ事情
- パジャマを忘れても大丈夫!現地での探し方
- 台湾の気候に合わせたおすすめの部屋着
- 旅行の荷物を減らすパッキングのコツ
パジャマが提供されない文化的な理由とは
台湾のホテルでパジャマの提供が一般的でない背景には、文化的価値観と衛生観念の違いが存在します。
多くの日本人旅行者が当たり前と考えるパジャマの提供サービスですが、台湾では「寝間着は個人の私物」という意識が根付いています。
したがって、他人が一度身につけた衣類を共有することに抵抗を感じる人が少なくありません。
この考え方は、決してサービスの質が低いということではなく、むしろ宿泊客に対する配慮の表れと捉えることができます。
ホテル側は、より清潔で安心できる環境を提供するため、あえてパジャマのような共有の衣類を置かない選択をしています。
実際に、現地の台湾人に尋ねると「誰が着たかわからないものを着るのは少し奇妙に感じる」といった意見が聞かれます。
普段の生活で他者と衣服を共有する習慣がないのに、ホテルのパジャマだけが例外的に使い回されることに違和感を覚えるようです。
このように、衛生面への配慮から生まれた文化的な違いが、台湾のホテルにパジャマが置かれていない主な理由と考えられます。
ホテルランク別のパジャマ・バスローブ事情
台湾のホテルにおけるパジャマやバスローブの提供状況は、ホテルのランクによって大きく異なります。
しかし、高級ホテルだからといって必ずしもパジャマが用意されているわけではないため、事前の確認が大切です。
ホテルランク | パジャマの有無 | バスローブの有無 | 備考 |
スタンダードクラス(3つ星以下) | 基本的になし | ほとんどなし | 自身での持参が必須です。 |
ビジネス・日系ホテル | ほとんどなし | 一部で提供あり | バスローブのみの場合が多く、パジャマの持参を推奨します。 |
高級ホテル(5つ星など) | ホテルによる | ほぼ提供あり | パジャマの有無は様々で、浴衣が提供されることもあります。 |
スタンダードクラスのホテル
1泊5,000円から6,000円程度のホテルや、一般的なビジネスホテルでは、パジャマやバスローブが提供されていないことがほとんどです。
これらのホテルに宿泊する際は、必ず部屋着を持参する必要があります。
高級ホテルでも油断は禁物
一方で、1泊12,000円以上するような高級ホテルやラグジュアリークラスでは、バスローブは用意されていることが多いです。
しかし、パジャマの提供はホテルの方針によって分かれます。
例えば、日系で人気の「オークラプレステージ台北」では、バスローブに加えて浴衣が用意されているとの情報がありますが、部屋のタイプによって異なる可能性があります。
また、フォーブス5つ星を獲得した「マンダリンオリエンタル台北」でも、パジャマの提供については予約時に確認するのが確実です。
このように、ホテルランクに関わらず、台湾旅行ではパジャマを持参するのが最も確実な対策と言えます。
パジャマを忘れても大丈夫!現地での探し方
万が一、パジャマを持参し忘れてしまっても、台湾現地で手軽に購入できるため心配は不要です。
台湾には、品質が良く手頃な価格の部屋着を扱う店が数多く存在します。
最もおすすめなのが、台湾発のファッションブランド「NET」です。
「台湾版GU」とも称されるこのブランドは、台湾全土に店舗を展開しており、台北市内でも簡単に見つけることができます。
NETでは、ラウンジウェアやTシャツ、ハーフパンツなどが手頃な価格で販売されています。
価格帯の目安として、Tシャツは299台湾ドル(約1,400円)程度から、パジャマになりそうな上下セットは599台湾ドル(約2,800円)程度から見つけることが可能です。
台湾らしいデザインのTシャツはお土産にもなるでしょう。
その他の選択肢としては、日本でもおなじみの「ユニクロ」があります。
品揃えは日本とほぼ同じで安心感がありますが、価格は日本よりも少し高めに設定されている点に注意が必要です。
また、「H&M」や「ZARA」といった国際的なファストファッションブランドも主要都市に店舗を構えています。
緊急時には、セブン-イレブンやファミリーマートといったコンビニエンスストア、またはドラッグストアでも簡単なTシャツや部屋着が手に入ります。
このように、現地での調達手段は豊富にあるため、パジャマを忘れた場合でも安心して対応できます。
台湾の気候に合わせたおすすめの部屋着
台湾は年間を通して温暖な気候ですが、季節や室内の環境によって適した部屋着は異なります。
快適なホテルステイのために、訪れる時期に合わせた部屋着を準備することが鍵となります。
春・秋シーズン(3月~5月、10月~11月)
この時期は過ごしやすい気温ですが、朝晩は少し肌寒く感じることがあります。
そのため、薄手の長袖・長ズボンのパジャマが最適です。
素材は、通気性と肌触りの良い綿やモダール混紡などがおすすめです。
寒がりの方は、さっと羽織れるカーディガンなどを用意しておくと体温調節に役立ちます。
夏シーズン(6月~9月)
台湾の夏は高温多湿で、屋外は非常に暑いです。
しかし、ホテルやデパート、公共交通機関の中は冷房が強く効いていることが多いため、油断は禁物です。
部屋着としては、半袖・ハーフパンツのセットが基本となりますが、冷房対策として薄手の長袖カーディガンやパーカーを必ず持参しましょう。
吸湿性や速乾性に優れた素材を選ぶと、汗をかいても快適に過ごせます。
冬シーズン(12月~2月)
台湾の冬は日本の冬ほど厳しくはありませんが、特に台北などの北部は曇りや雨の日が多く、体感温度は意外と低くなります。
多くのホテルでは暖房設備が整っていないため、室内での防寒対策が不可欠です。
厚手の長袖パジャマや、フリース、ニット素材の暖かい部屋着を用意すると安心です。
また、足元の冷え対策として、厚手の靴下やルームシューズも合わせて持参することをおすすめします。
旅行の荷物を減らすパッキングのコツ
パジャマや部屋着は意外とかさばるため、スーツケースのスペースを効率的に使うパッキングの工夫が求められます。
荷物を最小限に抑えつつ、快適な滞在を準備するためのコツをいくつか紹介します。
まず、最も効果的な方法の一つが「圧縮袋の活用」です。
衣類を袋に入れて空気を抜くだけで、体積を半分以下に減らすことができます。
特にフリースなどの厚手の部屋着を持っていく冬場の旅行では、この方法が非常に役立ちます。
次に、持っていく衣類の選び方もポイントです。
必ずしもパジャマの上下セットにこだわる必要はありません。
例えば、手持ちのTシャツに、薄手で軽量なパジャマ用のパンツを組み合わせるだけでも十分です。
また、薄くて軽い素材の衣類を選ぶことが荷物を軽量化する基本です。
さらに、旅行日数が長い場合は、現地での洗濯を視野に入れるのも良い方法です。
その際は、乾きやすい速乾素材の部屋着を選ぶと、夜に手洗いしても翌朝には乾いているため、着回しが効きます。
これにより、持っていく衣類の枚数を減らすことが可能です。
これらの小さな工夫を組み合わせることで、スーツケースに余裕が生まれ、お土産を入れるスペースを確保することにも繋がります。
台湾ホテルのパジャマ以外の必須アメニティ
- 2025年からのアメニティ廃止令に注意
- バスタオルの提供状況と追加の要否
- ドライヤーの備え付けは期待できる?
- シャンプーは持参した方が良い理由
2025年からのアメニティ廃止令に注意
台湾では、環境保護への取り組みとして、2025年1月1日から宿泊施設における使い捨てアメニティの無料提供が法律で規制されました。
この変更は台湾を訪れるすべての旅行者に関わるため、事前に内容を理解しておくことが大切です。
この新しい政策により、これまで多くのホテルで客室に用意されていた使い捨てのアイテムが姿を消しています。
具体的には、歯ブラシ、歯磨き粉、くし、シャワーキャップ、カミソリ、シェービングフォームなどが対象です。
また、180ml以下のミニボトルに入ったシャンプーやボディソープの提供も禁止され、代わりに多くのホテルでは詰め替え可能なディスペンサー式のボトルを導入しています。
すでに2024年中から先行してこの規制に対応するホテルも多く、旅行者からは「すでにアメニティが置かれていなかった」という声が聞かれていました。
このため、これらのアメニティは日本から持参するか、現地で購入する必要があります。
現地で購入する場合、例えば歯ブラシセットが99台湾ドル(約470円)程度と、日本で購入するよりも割高になる可能性があります。
したがって、経済的な観点からも、普段から使い慣れているものを日本から持っていくことをおすすめします。
この新しいルールを念頭に置いて荷造りをすることで、現地で慌てることなくスムーズな滞在が可能になります。
バスタオルの提供状況と追加の要否
台湾のホテルでは、タオル類の提供状況は比較的良好で、心配する必要はほとんどありません。
ほとんどのホテルで、バスタオルとフェイスタオルは標準的なアメニティとして客室に備え付けられています。
これらは日本のホテルと同様に、清掃時に交換される再利用タイプです。
ただし、ごく一部の格安ホテルやゲストハウスでは、コスト削減のためにタオルが有料サービスであったり、提供自体がなかったりするケースも考えられます。
もし宿泊先がそのような施設の場合は、予約時にタオルの有無を確認するか、念のため自分で一枚持参すると安心です。
タオルの質については、ホテルのランクに比例する傾向があります。
スタンダードクラスのホテルでは、タオルが少し薄手であったり、肌触りが硬いと感じたりすることもあるかもしれません。
タオルの質感にこだわりがある方や、肌が敏感な方は、自分のお気に入りのフェイスタオルを一枚持っていくと、より快適に過ごせるでしょう。
基本的にはホテルのタオルで十分対応できますが、プールを利用する場合や、雨季に服が濡れてしまった場合などを想定すると、予備のタオルが一枚あると何かと便利です。
ドライヤーの備え付けは期待できる?
台湾のホテルでは、ドライヤーは基本的な客室設備として、ほとんどの宿泊施設に備え付けられています。
ビジネスホテルや中級クラス以上のホテルであれば、まず間違いなく部屋に用意されていると考えてよいでしょう。
ただし、ドライヤーのタイプや性能はホテルによって様々です。
壁に固定されているタイプも多く、風量が弱かったり、ボタンを押し続けないと作動しなかったりする旧式のものに出会うこともあります。
髪が長い方や、普段から高性能なドライヤーを使っている方は、少し物足りなさを感じるかもしれません。
また、前述の通り、非常に安価なゲストハウスやホステルなどでは、客室にドライヤーがなく、フロントで借りる形式を取っている場合があります。
この場合、数に限りがあるため、他の宿泊客が使用中だと待たなければならない可能性も出てきます。
もしヘアセットにこだわりがあり、普段使っているドライヤーでないと困るという方は、海外対応の製品を持参するのが最も確実です。
台湾の電圧は110V、プラグは日本と同じAタイプなので、日本の100V-240V対応の電化製品であれば変圧器なしで使用できます。
旅行のスタイルや髪の長さなどを考慮して、ドライヤーを持参するかどうかを判断するのが良いでしょう。
シャンプーは持参した方が良い理由
台湾のほとんどのホテルではシャンプーが備え付けられていますが、それでも日本から持参することをおすすめするにはいくつかの理由があります。
第一に、品質と種類の問題です。
多くの中級ホテル以下では、シャンプーとボディソープが一体になった「オールインワンタイプ」が設置されていることが少なくありません。
このタイプの洗浄剤は、髪がきしんだり、パサついたりする原因になりがちです。
また、コンディショナーやトリートメントが用意されていないホテルも多いため、特に髪の長い方やヘアケアを重視する方は、普段使っているものを持参するのが賢明です。
第二に、台湾の水質との相性です。
台湾の水は日本の軟水とは異なり、ミネラルを多く含む「硬水」に近い地域が多いです。
硬水は髪のキューティクルを開きやすくし、シャンプーの泡立ちを悪くさせる性質があります。
これにより、髪がゴワゴワしたり、指通りが悪くなったりすることがあります。
使い慣れた日本のシャンプーでもこのような影響を受ける可能性があるため、ダメージが気になる方は、保湿効果の高いトリートメントなどを合わせて持っていくと良いでしょう。
これらの理由から、数日間の旅行であっても、髪のコンディションを良好に保ちたいのであれば、シャンプーやコンディショナーを旅行用の小分けボトルに入れて持参することが、快適な滞在に繋がります。
まとめ:台湾ホテルでパジャマに困らない為の準備
- 台湾のホテルにはパジャマが基本的にないことを理解する
- 衛生観念や文化の違いがパジャマ不提供の背景にある
- 高級ホテルでもパジャマの提供は確実ではないため事前確認が望ましい
- バスローブはあってもパジャマ代わりにはなりにくい場合がある
- 自身の体型や好みに合った着慣れたパジャマを持参するのが最も快適
- 台湾の季節に合わせて部屋着を選ぶ(夏は冷房対策、冬は防寒対策)
- 荷物を減らすために圧縮袋や速乾素材の衣類を活用する
- 万が一忘れた場合は現地の「NET」やユニクロなどで手軽に購入できる
- 2025年1月から使い捨てアメニティの無料提供が法律で禁止された
- 歯ブラシ、カミソリ、くしなどは必ず持参する
- シャンプーやコンディショナーも自分の髪質に合うものを持っていくと安心
- ドライヤーはほとんどのホテルにあるが性能は期待しすぎない
- バスタオルは基本的に備え付けられている
- 暖房がないホテルが多いため冬場はカイロや厚手の靴下も役立つ
- 事前の準備をしっかり行うことが台湾旅行を快適にする鍵となる
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。
この記事では、台湾のホテルにおけるパジャマやアメニティの事情について、詳しく解説いたしました。
日本の常識とは異なる点に、最初は戸惑うかもしれません。
しかし、パジャマが用意されていない背景には、衛生面を重視する台湾ならではの文化的な配慮があるのです。
このような違いを知り、受け入れることも、海外旅行の醍醐味の一つではないでしょうか。
事前に現地の習慣を理解し、少しだけ準備を整えることで、現地での不要なトラブルや心配事を減らすことができます。
そして、安心して旅そのものに集中できるようになります。
着慣れたパジャマでリラックスした夜を過ごせば、翌日の観光も一層楽しめるはずです。
この記事が、あなたの快適で思い出深い台湾旅行の準備に、少しでもお役立ていただけたなら幸いです。
美味しいグルメ、活気あふれる街並み、そして温かい人々があなたを待っています。
どうぞ、素晴らしい旅をお楽しみください。